Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme
『もし……』
その肩へ、善兵衛は手をのせ、店にいる右衛門七のほうを見ながら囁いた。
『お前さんは、ほんとに、彼男を思ってくれるんですか。――真実、右衛門七が可愛いならば、叔父の私だって、考えもあるんだが……』
『善兵衛さん……』
ぺたッと、坐り崩れて――、
『なんで嘘や冗戯に』
『うむ、それやあそうだろうが、若い人というものは、一時はかあっと逆上せても、醒めるという事があるからな』
『おねがいです。わたしがそんな女かどうか、彼の人と添わせてくださいませ。きっと添いとげて――』
可憐しい一心が濡れた眸にこう云わせるのだった。
(――ああ罪だ)
ふと、与五郎の善兵衛は、そんな弱い気持に暗くなりかけたが、
(大義の為だ!)
小さい自己の良心を捻じ伏せるように眼を反らし、いきなり彼女の腕くびを強く掴んだ。
『今のお言葉に、間違いがないならば、きっと甥の右衛門七に添わせましょう。――今年、急にというわけには行きかねるが、来年の春にでもなったら、この小間物屋の暖簾を頒けて――』
『えっ、ほんとに』
『だが』
と、娘ごころの一心に燃える眼を、善兵衛はじっと見つめて、
『夫婦の誓いは、生涯の運さだめ、もしお粂さんに心変りでもあると、叔父として、この善兵衛の立場がない。