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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme

Aozora Bunko

そして酒の入っている一升徳利を、火鉢の側へ持って戻ったのだが、お互いに憮然として、それを見ているだけだった。

『丈八』

『ウム……』

『百余名もいる此御邸内の家臣や附人のうちで、真実、御奉公の心のある者が幾人いるかと、常々、心ぼそく案じていたが、やはり真実の侍はいるものだ。……おれはこの酒を飲むのも済まないような気がして来た。今の笠原という若侍の真面目さに対して――』

『あれは、関口作兵衛の弟で、まだ若いが、心構えも腕もできている男だ』

『関口作兵衛とは?』

『千坂兵部様の腹心で、曾ては、おれ達と共に、京大阪の方面へ、赤穂方の浪人たちの動静を探る役目を吩咐かって出向いていたが、山科の毘沙門附近で何者かに殺害され、しかもその死骸の首がなかったという』

『赤穂の浪人だな。仕手は』

『武林唯七らしいという事しか分っていない。先刻の笠原七次郎は、自分の兄が、そういう目に遭っているので、赤穂の者共が襲せて来たらと、いつも緊りつめた悲壮なものを抱いているらしい』

『兵部様といえば、この頃はちと、お体も勝れぬように聞いているが』

『御心労のおつかれだろうな。この雪の降る前にも、此方の模様の御報告をかねて、お見舞に行って来たが、その折は、ちょうど御来客で、お目にかかれなかった』