Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 40.068 Zeichen · 81 Bildschirme

Aozora Bunko

八月十日

八月十一日

八月十二日

こんなに、何だか哀れなものとは思いもかけなかった。いじらしいのなり。

それでも私が居て本当によかった。

八月十日(水曜)

然しS、ちゃんと生理的現象として心得ては居るからよろし。

八月十一日(木曜)

倉知の咲枝、緑郎来。

咲枝又少しかわって来た。少し温いところが出て来て心持よし。よく見ると、美しい、若々しい。

mと話し、承知して居ること、Kに話しておいた。K大悦び。

モルナー、チャペックの作品よろし、感心した。モルナーのは「リリオム」。チャペック「虫の生活」と「マクロポウロス家の秘法」――この終りの、幕切れの言葉余りよくないが全体は一寸面白い。「虫の生活」の中のコーロギとガラガラの愛らしさ! 構想大きい。ミシェル・オオクレルもよかったなあ。

八月十二日(金曜)

曇、折々小雨降る。

一大隊で池の辺へ遊びに出かけ、又夕方から池へボート漕ぎに出かけた。オール、もっと上手いと思って居たのにうまく動かず。

然し、二丁のオールが拍子をそろえて、サッ、サッと動くところ、リズミカルでいい心持だ。

緑郎、番傘を帆にしてそれで舟を動かそうとした。一寸美しい景色、咲枝の藍と朱と縞の帯、水蓮の花、競馬場の白い埒。