Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
長男は芝浦で泳いでいるうちに沈んだ。次男は麻疹で命を奪られた。三男は子供のときから手癖が悪いので、おまきの方から追い出してしまった。
「わたしはよくよく子供に運がない」
おまきはいつも愚痴をこぼしていたが、それでも末っ子の七之助だけは無事に家に残っていた。しかも彼は姉や兄たちの孝行を一人で引き受けたかのように、肩揚げのおりないうちからよく働いて、年を老った母を大切にした。
「あんな孝行息子をもって、おまきさんも仕合わせ者だ」
子供運のないのを悔んでいたおまきが、今では却って近所の人達から羨まれるようになった。七之助は魚商で、盤台をかついで毎日方々の得意先を売りあるいていたが、今年二十歳になる若いものが見得も振りもかまわずに真っ黒になって稼いでいるので、棒手振りの小商いながらもひどい不自由をすることもなくて、母子ふたりが水いらずで仲よく暮していた。親孝行ばかりでなく、七之助は気のあらい稼業に似合わない、おとなしい素直な質で、近所の人達にも可愛がられていた。
それに引き替えて、母のおまきは近所の評判がだんだんに悪くなった。彼女は別に人から憎まれるような悪い事をしなかったが、人に嫌われるような一つの癖をもっていた。