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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

と、お登久は同情するように云った。「妹はまだ子供ですし、稼ぎ人にいなくなられちゃあ、どうにもしようがないんです」

「そりゃあ気の毒だね。一体その息子はなんという男で、年は幾つぐらいだね」

半七に訊かれて、お登久は詳しくその息子の身の上を話した。彼は千次郎といって九つの春から市ヶ谷合羽坂下の質屋に奉公していたが、無事に年季を勤めあげて、それから三年の礼奉公をすませて、去年の春から新宿に小さい古着屋の店を出して、おふくろと妹と三人暮しで正直に稼いでいる。年は二十四だが、色白の小作りの男で、ほんとうの暦よりは二つ三つぐらいも若く見えるとのことであった。その話を聴きながら半七は師匠の顔色をじっと窺っていたが、相手に云うだけのことを云わせてしまって、しずかにこう云い出した。

「そこで、師匠。云うまでもねえこったが、その千次郎という息子は早く探し出さなけりゃあ困るんだろうね」

「ええ。一日でも早い方がいいんです。くどくも申す通り、おっかさんがひどく心配しているんですから」と、お登久はすがるように頼んだ。うす化粧をした彼女の顔に、不安の暗い影がありありと浮かんでいた。