Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
その帰りに自分の屋敷の近所まで来ると、そこに三四十俵から五六十俵取りぐらいの小さい御家人たちの組屋敷があって、十二三を頭に四、五人の子供が往来に遊んでいた。遊びに夢中になっている一人の子供は、駈け出すはずみに大三郎に突き当って、ふたりは折り重なって路傍に倒れた。もともと悪意でないことは判っていたが、供の又蔵は主人を突き倒されたのと、相手が小身者の子供であるという軽侮とで、その子供の襟髪を引っ掴んでいきなりぽかりぽかりなぐりつけた。これは無論に又蔵の仕損じであった。かれ等はともかくも武士の子である。理非も糺さずにみだりに人を打擲するとは何事だといきまいた。もう一つには、こっちが相手を小身者と侮ると同時に、相手の方では大身に対する一種の妬みと僻みがあった。彼等はすぐに組中の子供を呼びあつめて、めいめい木刀や竹刀を持ち出して、およそ十五六人が鬨を作って追って来た。その中には、かれらの兄らしい青年がたんぽ槍を掻い込んでいるのもあった。これには又蔵もぎょっとした。さりとて今更あやまるのも業腹だと思ったので、かれは幼い主人を引き摺って一生懸命に逃げ出した。追いかけて来た子供たちは杉野の門前で口々に呶鳴った。