Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
「これが表沙汰になりましては、御屋敷の名前にもかかわります。幸いに事を仕損じて誰に迷惑がかかったというでもなし、この女の罪はわたくしに免じてどうか御勘弁を願わしゅう存じます」
女がしきりに頼むので、半七は無下に跳ねけ付けることも出来なくなった。彼は女の苦しそうな事情を察して、とうとうお俊を赦してやることになった。
「親分さん。どうも有難うございました。いずれお礼にうかがいます」
「礼なんぞに来なくても好いから、この後あんまり手数を掛けねえようにしてくれ」
「はい、はい」
お俊は器量を悪くしてすごすご帰って行った。これで偽物の正体はあらわれたが、ほんものの正体はやはり判らなかった。併しもうこういう破目になっては、なまじいに包み隠しても仕方があるまい、いよいよ相手の疑いを増すばかりで、まとまるべき相談も却って纏まらないかも知れないと覚ったらしく、女はお亀と半七にむかって自分の秘密を正直に打ち明けた。
彼女はお俊のような偽物でなく、たしかに或る大名の江戸屋敷につとめている奥女中であった。主人の殿様は江戸から北の方にある領地へ帰っているが、奥方は無論に江戸屋敷に残されていた。