Japanische Klassiker mit Furigana
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えいじつしょうひん
永日小品
Lesen Sie 永日小品 (えいじつしょうひん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.000 Zeichen · 100 Bildschirme
出せる訳のものじゃないんだから、けっして御心配には及びませんと安心させて、掛物だけ帰して来ましたと云う。自分はへええ、そうかと少し驚ろいた。
翌る日、青年から、どうも嘘言を吐いてすまなかった、軸はたしかに受取ったと云う端書が来た。自分はその端書を他の信書といっしょに重ねて、乱箱の中に入れた。そうして、また青年の事を忘れるようになった。
そのうち冬が来た。例のごとく忙しい正月を迎えた。客の来ない隙間を見て、仕事をしていると、下女が油紙に包んだ小包を持って来た。どさりと音のする丸い物である。差出人の名前は、忘れていた、いつぞやの青年である。油紙を解いて新聞紙を剥ぐと、中から一羽の山鳥が出た。手紙がついている。その後いろいろの事情があって、今国へ帰っている。御恩借の金子は三月頃上京の節是非御返しをするつもりだとある。手紙は山鳥の血で堅まって容易に剥れなかった。
その日はまた木曜で、若い人の集まる晩であった。自分はまた五六人と共に、大きな食卓を囲んで、山鳥の羹を食った。そうして、派出な小倉の袴を着けた蒼白い青年の成功を祈った。五六人の帰ったあとで、自分はこの青年に礼状を書いた。