Japanische Klassiker mit Furigana
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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
Lesen Sie 灰色の巨人/魔法博士 (はいいろのきょじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 156.085 Zeichen · 312 Bildschirme
女の人は、そのケースを、一つ一つ、ひらいて見ていましたが、ちょうどそのとき、店の外で、「ワーッ。」という叫び声がしたかとおもうと、にわかに、そのへんがさわがしくなり、大賞堂のショーウィンドーの前は、みるみる黒山の人だかりになりました。
店員がとび出していってみますと、ひとりの青年が、そこにたおれていて、それをとりまいて、人だかりがしているのでした。
「どうしたんだ。しっかりしたまえ。」
ひとりの紳士が、たおれた青年をだきおこして耳のそばで、どなりますと、青年は、ふさいでいた目をひらいて、キョロキョロ、あたりを見まわし、はずかしそうな顔で、
「だれかが、パッとぶっつかったひょうしに、目まいがして、たおれたのです。もういいんです。すみません。」
とつぶやいて、よろよろと立ちあがり、まわりの人たちをかきわけるようにして、どこかへたちさってしまいました。
大賞堂の客たちも店員たちも、そのさわぎに、みんな入口へ出ていましたが、青年がたちさるのを見て、売り場に帰りました。
さっきの若い女の人も、もとの売り場にもどって、また首かざりを見はじめましたが、しばらくすると、気にいった品がないらしく、またくるからといって、そのまま店を出ていこうとしました。