Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
Lesen Sie 牧野富太郎自叙伝 (まきのとみたろうじじょでん) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.045 Zeichen · 185 Bildschirme
私は天性植物が好きだったのが何より幸福で、この好きが一生私を植物研究の舞台に登場させて躍らせた。これがため私の体は幸いに無上の健康を得、私の心は無上に快適で、前述のように高年の今日でもその研究が若い時分と同じく続けられ、国家並に学問に対するわが義務が多少でもはたせる事を念うとまことに歓喜の至りに堪えない。これは一に天に謝さねばならぬものである。
私は元来土佐高岡郡佐川町の酒造家に生まれた一人ぽっちの伜であるが、まだ顔を覚えない幼い時分に両親に別れた。そして孤となり羸弱な生まれであったが、植物が好きであったので山野での運動が足り、且つ何時も心が楽しかったため、従って体が次第に健康を増し丈夫になったのである。そして私は小さい時から酒も煙草も呑まないので、これも私の健康の助けになったに違いないと信じている。
人間は足腰の立つ間は社会に役立つ有益な仕事をせねばならん天職を稟けている。それ故早く老い込んではオ仕舞だ。また老人になったという気持を抱いては駄目だが、しかしそんな人が世間に寡くないのは歎かわしい。今日戦後の日本は戦前の日本とは違い、脇目もふらず一生懸命に活動せねばならぬのだから、老人めく因循姑息な退嬰気分は一切放擲して、幾ら老人でも若者に負けず働く事が大切だ。