Japanische Klassiker mit Furigana
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まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
Lesen Sie 牧野富太郎自叙伝 (まきのとみたろうじじょでん) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.045 Zeichen · 185 Bildschirme
私は土佐の出身で、学歴をいえば小学校を中途までしか修めないのであるが、小さい時から自然に植物が好きで、田舎ながらも独学でこの方面の研究は熱心に続けていたのである。
それで明治十七年に東京へ出ると、早速知人の紹介で、大学の教室へ行ってみた。時の教授は矢田部良吉氏で、松村任三氏はその下で助手であった。それで矢田部氏などに会ったが、何でも土佐から植物に大変熱心な人が来たというので、皆で歓迎してくれて、教室の本や標品を自由に見ることを許された。それから私は始終教室へ出かけて行っては、ひたすら植物の研究に没頭した。
その当時、日本にはまだ植物志というものが無かったので、一つこの植物志を作ってやろう――そういうのが私の素志であり目的であった。もと私の家は酒屋で、多少の財産もあり、両親には早く別れ兄弟は一人もないので、私がその家をついだので、財産は自由になるからその金で私は東京へ出たのである。で、植物志を出版するには土佐へ帰ってゆっくりやろうという考えであった。しかし植物志を作るには図を入れなければならぬが、その当時土佐には石版の印刷所がない。そこで一年間石版屋へはいって、石版印刷の稽古をしたのであった。