Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
Lesen Sie 牧野富太郎自叙伝 (まきのとみたろうじじょでん) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.045 Zeichen · 185 Bildschirme
寿衛子の娘の頃は裕福であったため踊りを習ったり、唄のお稽古をしたり、非常に派手な生活をしていたが、父が亡くなった後、その邸宅も売りその財産も失くしたので、その未亡人は数人の子供を引き連れて活計のため飯田町で小さな菓子屋を営んでいたのです。
青年のころ私は本郷の大学へ行く時その店の前を始終通りながらその娘を見染め、そこで人を介して遂に嫁に貰ったわけです。仲人は石版印刷屋の親爺――というと可笑しく聞えるけれど、私は当時大学で研究してはいたが何も大学へ就職しようとは思っていず、一年か二年この東京の大学で勉強したらすぐまた土佐へ帰って独力で植物の研究に従事しようと思っており、自分で植物図譜を作る必要上この印刷屋で石版刷の稽古をしていた時だったので、これを幸いと早速そこの主人に仲人をたのんだのです。まあ恋女房という格ですネ。
当時私は麹町三番町にあった同郷出身の若藤宗則という人の家の二階を間借していたのだが、こうして恋女房を得たのだから早速そこを引き揚げて根岸の御院殿跡にあった村岡という人の離れ屋を借り、ここで夫婦差し向いの愛の巣を営んだ。そうして私にはまだ多少の財産が残っていたので始終大学へ行って植物の研究をしていたが、翌二十四年ごろからはその若干の私の財産も残り少なになってしまったのです。