Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme

Aozora Bunko

そのあとには、五六寸四方に、薄闇の中でもクッキリと分る程、真黒な穴が出来た。

彼は妙な夢を見ているんじゃないかと疑った。品川四郎と云えば歴とした科学雑誌の社長様である。その品川四郎が、夕闇と群集に隠れて、泥棒みたいにあたりを見廻しながら、九段坂の石垣を抜いている。あり得べからざる光景だ。

「アア、そうか、そうだったのか」青木は腹の中で妙な独言を云った。「槐多の小説は本当だったのだ。あすこの石のうしろに、何か隠してあるのだ。その隠し場所を品川が発見して、今中のものを取出そうとしているのだ」

だが、無論それは彼の瞬間的狂気で、そんな馬鹿なことがあろう道理はない。のみならず、品川は何かを取出すのではなくて、反対に、今抜いた石垣の穴へ、何かしら投入れて、手早く石を元の通りに差込むと、そ知らぬ振りで、又スタスタと坂道を降りて行くのであった。

むらむらと湧上る好奇心が、人の悪い尾行慾に打勝った。それに相手はもう帰ろうとしているのだ。

青木愛之助は小走りに坂を降りて、品川四郎に追いつくと、彼の背中をポンと叩いて、

「品川君じゃないか」

と声をかけた。

相手はギョッとして振返った。