Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme

Aozora Bunko

それが長い長い一晩中絶えては続いた。つまり、彼はその部屋の真上の二階に、さっきの生首の女の、切り離された胴体が、みだらに血みどろに横わっている光景を幻想したからである。

一夜の苦悶の間に、さして厳重ではなかったいましめは、いつしかとけてしまったけれど、仮令手足丈けは自由を得たところで、けだものの檻の様に鍵のかかった扉と、鉄格子の窓にはばまれ、逃れ出すことは思いもよらなかった。

一睡もしなかった彼は、夜が明けると、外の広っぱに人通りがないかと、そればかりを待った。往来ではないので中々人通りはなかったが、やっとして十五六歳の少年が、窓の向うの生垣の外をハーモニカを吹き鳴らしながら通りかかった。

愛之助は悪魔がまだ同じ家にいると信じていたので、声をかけることを憚り、手帳を破って手紙を書き、銀貨を包んで重りにして、窓から少年の足元へ投げた。

幸い彼の意志が通じて、少年はすぐ様附近の交番へ駈けつけてくれた。そして、間もなく警官がやって来たのだが、実に奇妙なことには、愛之助の申立てによって、警官が調べて見ると、その家は全くの空家で、どの部屋にも人の住んでいた形跡はなく、主人公の幽霊男も、例の血みどろの生首も、女の胴体も、影も形もなく、どこの床板にも一滴の血のあとさえ発見されなかった。