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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme

Aozora Bunko

ところが、やがて三十分も尾行が続いた頃、愛之助はふと車外の家並に注意を向け、アア見覚えがあるなと気づくと、ある恐ろしい考えが、ギョッと胸につき上げて来た。車は確かに先夜と同じ町を通って池袋に向っている。もう停車場が向うに見える。

すると、媾曳の場所は例の不気味な空家に相違ない。彼は先夜の奇怪な出来事をまざまざと思出した。幽霊男の握っていた人切庖丁、血みどろの女の生首、そして奇怪極まる殺人淫楽。

妻は相手を信用し切っている様子だが、ひょっとすると、あの空家の中には、先夜の女と同じ運命が彼女を待構えているのではあるまいか。それは二人は本当に愛し合っているかも知れない。だが、いくら愛し合っていたところで、彼奴は、当前の人間ではないのだ。恐ろしいラスト・マアダラアなのだ。彼として見れば、いとしければこそ、その人の生血がすすりたいのかも知れぬのだ。

案の定芳江の車は不気味な空家の前に止った。愛之助は広っぱの手前で車を捨てて、闇の中に蹲って見ていると、ほの白い妻の姿が、真黒な怪物みたいに聳えている空家の中へ、吸込まれる様に消えて行った。

云わずと知れた、家の中には例の怪物が、美しい餌食を待構えているのだ。