Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
愛之助は見世物以外の、予期せぬ収穫に興じながら、停留所の方へ歩いた。
「だが待てよ」
彼はふとある事に気づいて、立止った。
「馬鹿馬鹿しい、マッカレイの小説じゃあるまいし、あんなに寸分も違わぬ人間が、この世に二人いるものだろうか。それに、品川四郎が双生児だという話も聞かぬ。こいつは、ひょっとしたら」
と、そこで彼は、友達の悪事を喜ぶ、人の悪い微笑を漏らした。
「やっぱり、あれは品川四郎だったに違いない。雑誌社の社長だって、スリを働かぬと極った訳ではない。品川の奴聖人ぶっているが、その実あんな病気があるのかも知れぬ。夜半に行燈の油をなめたお姫様さえあるんだからな。そう考えると、貧乏人の品川が、今の雑誌を自分のものにしたのもおかしいぞ。飛んでもない所から資金が出ているのじゃないかな。奴はスリばかりでなく、外にも、もっともっと悪事を働いているのかも知れぬて。
そうだそうだ。その病気を俺に見られたと思ったので、奴め、空っとぼけて、自分とよく似た別人がある様に見せかけたのだ。泥棒をする程の彼だから、お芝居もうまいに違いない」
愛之助は、そう結論を下した。だが、その為に彼は品川を非難する気にはなれなんだ。