Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
併し、明智はなぜか、ひどく困惑の体で、却って宮崎氏の顔色を読もうとする如く、じっと相手を見つめた。
「虚勢。如何にも、虚勢でしょう。……だが、あれは、どうしたというのだ」
裏門の方に、騒がしい人声、それが段々高まって来る。
書生の青山が飛込んで来た。
「裏門の側で怪しい奴を捕えました。ピストルを持っているそうです。明智さんを御呼びしてくれということでした」
それを聞くと主客共に立上がった。
「明智さん、見て来て下さい。厳重に検べて下さい。ここはわしが引受けます」
明智は立去ろうとして、なぜか一寸躊躇した。本能的にある不安を感じたのだ。併し、行かぬ訳には行かぬ。彼は常右衛門氏をじっと見つめて、
「では、お嬢さんを御願いします。側を離れない様にして下さい」
くどく念を押して、彼は書生の案内でドアの向うに消えた。あとに残った父と娘とは、真青な顔を見合わせて、暫らく黙り込んでいたが、とうとう、雪江さんが、たまらなくなって幼児の様に叫んだ。
「お父さま、私、こわい」
彼女は、今にも倒れそうに気力がない。
「心配することはない、こうしてわしがついているではないか。それに、この部屋のまわりは、刑事や書生で取巻いているといってもよい程だ。