Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
上ることであろうが、今はその暇がない。
其翌日、美禰子さんの許婚の俊一氏が大阪のホテルで奇怪な死をとげた。無論これも白蝙蝠団の魔手が伸びたので、彼等は令嬢すり替えを看破し得るものは、許婚の俊一氏の外にはない。この邪魔者を先ず除かないでは、最後の目的である大河原伯爵に対する陰謀に、安心して着手することが出来ぬと考えたのだ。
さて、引続いて起った二つの事件から十日程たって、俊一氏の葬儀も終った頃、大河原首相官邸に突発した奇怪千万な出来事。
ある夕方、非常に長引いた閣議が終って、引上げて行く閣僚達を見送った首相はいつになく疲労を覚えたので、私室に入って、グッタリと椅子に凭れていた。養子俊一氏の変死が、伯爵の私生活に悲しい空虚を作った。彼は首相としての激務に僅かの隙を見出すと、知らぬ間にその空虚へ陥っているのを発見した。
その上彼には、もう一つ変な心懸りがあった。ついさっき、閣議の始まる前に、野村秘書官が囁いた彼の一身に関するある重大な事柄だ。彼はそれを聞いた時、秘書官が気でも違ったか、或は白昼の夢を見ているのではないかと疑った。何を馬鹿なことを云っているかと叱りつけようとした。