Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
活動小屋を出て、名も知らぬ場末の町を歩きながら、品川四郎が途方に暮れた体で、愛之助に話しかけた。
「それについて、僕は思当ることがあるのだが、君はこの秋の九段のお祭を見に行きやしまいね」
愛之助は念の為に確めて見た。
「イイヤ、僕はああ云うものには、大して興味がないのでね」
案の定、先日の九段の男は品川ではなかったのだ。そこで、愛之助は例のスリの一件を詳しく話して聞かせ、最後にこう附け加えた。
「どうしても君としか見えなかったものだから、実を云うと、僕は君を疑っていたのだよ。内々スリを働いているんじゃないかとね。ハハハハハ滑稽だね、それで遠慮をして、その後逢った時にも、態とそのことを話さなんだのさ」
「ヘエ、そんなことがあったのかい。すると愈々、もう一人の僕がいる訳だね」
品川は少々怖くなった様子である。
「双生児かも知れないぜ。君は知らなくても、君には赤ん坊の時分に分れた双生児があるのじゃないかい」
「イヤ、そんなことはあり得ないよ。僕の家庭はそんな秘密的なんじゃない。双生児があればとっくに分っている筈だ。それに双生児だって、あんなソックリのがあるだろうか」