Japanische Klassiker mit Furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme
何とかして拝見させていただくわけには往くまいかと、口を揃えて頼宣に頼んだものだ。きさくな頼宣は気持よくそれを承諾して、日をきめて茶会を開くことにした。
その日になって、赤坂喰違の紀州家の邸では、数寄屋の床の飾りつけから道具万端ちゃんと用意が出来ているはずだった。
出迎のものの口から、お客の老中方が揃って数寄屋に入ったことを聞いた頼宣は、挨拶に出かけようとして、居間を出て黒書院を通りかかった。ふと気がつくと、違棚の上に箱から取出したばかりの懸物が一つ置いてあった。頼宣はもしやと思って検めてみた。それは紛う方もない、虚堂の懸物だった。
頼宣は胸に動悸を覚えた。道具奉行の鴨居善兵衛と茶道の千宗左とが呼び出された。頼宣はきっと二人の顔を見据えた。
「あれほど申しつけておいたのに、何故あって数寄屋にこれを掛けぬのじゃ。今日の茶事を何と心得おるか。」
主人の手に虚堂の懸物を見た二人は、はっと恐縮して、亀の子のように頭をすくめるより外に仕方がなかった。
「恐れ入りました。全く手前どもの粗相から、お数寄屋には他のお軸を掛けましたような次第で……」
愚しい粗忽者をいくら叱ったところで、さしあたっての間違をどうすることも出来ないのを知っている頼宣は、長くは二人を相手にしていなかった。