Japanische Klassiker mit Furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme
年毎の損つづきに気を腐らした農夫は、いっそ梨畑を掘り返して、そのあとに何か新しいものを植えつけてみたらと思った。で、いつもこんな場合に、いい分別を貸してもらうことになっている神道――教会の教師を訪ねて、その相談をもちかけた。いうまでもなく、農夫はその教会のふるい信徒の一人だった。
農夫の口から委細を聞いた教師は、気むつかしく首をふった。
「梨畑を掘り返すにはまだ早い。もっと御祈念を積みなさい。」
「御祈念はいたしとります。」
農夫の言葉つきには、どこかに不足らしいところがあった。
「何と言って御祈念している……。」
「神様。どうぞ私の梨畑を……。」
気後れがするらしく、口のなかで言う農夫の言葉を、教師は皆まで聞かなかった。
「私の梨畑だと。お前さんにそんなものはないはずだ。何もかも一切神様にお返ししなさい、といって聞かせたことをもう忘れているね。」
それを聞くと、農夫は両手を膝の上へ、頭を垂れたまま、悄気かえったようにじっと考え込んでいたが、暫くすると、
「いや、よくわかりました。私が間違っておりました。」
と、丁寧に教師に挨拶をして帰って往った。
その日から農夫の心は貧しくなった。