Japanische Klassiker mit Furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme
そしてゆっくりした調子で、
「Carlyle かね。そう、あの男は今朝ここにいましたよ。あすの朝もまたやって来るでしょう。」
と、まるで子供のように他愛もなく言っていたが、急に言葉を改めて、
「何でしたかね、君の御用というのは――」
少年は自分の願いを繰返した。
「そうか。それじゃ捜してあげよう。」主人は打って変って快活になった。「この机の抽斗には、あの男の手紙がどっさりあるはずだから。」
それを聞くと、Alcott 女史の潤んだ眼は喜びに輝いた。口もとには抑えきれぬ微笑の影さえ漂った。
室の容子ががらりと変って来た。老文豪は手紙と書類とが一杯詰っている机の抽斗をあけて、中を捜し出した。そしてときどき眼を上げて少年の顔を見たが、その眼はやさしい情味に溢れていた。少年がわざわざそのために紐育から出かけて来たことを話すと、「そうか。」と言って、明るく笑っていた。
老文豪は、少年が期待したような何物をも捜し出さないで、そろそろ机の抽斗を閉めにかかった。そしてまた低声で口笛を吹きながら、不思議そうにじろじろと二人の顔を見まわした。
少年はこの上長くはもう居られまいと思った。