Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme
「それじゃどうしたんだ」
「あの娘は後ろも見ずに歩くから、安心して跟けて行くと、いきなり神楽坂裏のしもたやへ入るじゃありませんか。占めたと思って、しばらく経ってから入ってみると――」
「空家だろう」
「その通りで、正に一言もねエ」
ガラッ八は額を掌で叩くのです。
「その家に、貸家札が貼ってあったのか」
「とんでもない、貸家札なんかありゃ、あんな娘っ子の籠抜けを逃がしゃしません」
「近所で訊いたかい」
「訊きましたよ。すると、近頃まで貸家だったが、塞がったかも知れません、でも挨拶もないしお蕎麦も来ないから、まだ引っ越して来たわけじゃないでしょう――という話で」
「それじゃ用意した細工だ、何だって突っ込んで訊いてみなかったんだ」
「ヘエ――」
「ヘエ――じゃないよ。籠抜けだって、ただの空家へいきなり飛込めるものじゃねえ。その家の差配に訊いて、どんな人間が借りたか、いつ引っ越して来るか、よく確かめて、突っ込むなり、張り込むなり、せめて三日も頑張ってみるがいい。手前の好きな夕顔の娘が、きっともう一度姿を現わすに違えねえ」
平次の推理は整然としております。
「なるほどね、――だがね親分、夕顔の娘は、夕顔の花の間違いじゃありませんか」