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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

「あッ、あの野郎だ、――あれが泥棒だったんだ。天城屋の提灯を持って、自分の顔をわざわざ見せるようにして行ったぜ」

「妙にニヤニヤした野郎だが、誰だかちょっと思い出せない顔だと思ったよ」

そんな事を言ったところで、もう追っつくわけはありません。

泥棒の逃げたのはそれでわかりましたが、盗られた千両箱は、泥棒が素手で逃げたにも拘わらず、家の中にも、路地の外にも、どこにも見えなかったのです。

夜中から朝にかけて、大掃除ほどの騒ぎでした。天井裏も床下も、押入納戸、落しの中は言うまでもなく、井戸の中までも見ましたが、千両箱に似寄りのものもありません。

その翌る日の夕刻、フラリとやって来たのは銭形平次でした。

「あ、銭形の親分」

顔を知ってるのが声をかけると、千両箱を捜しあぐねた人達は、地獄で仏といった安堵の顔になります。

「山脇玄内に千両箱をやられたそうだね」

「それですよ、親分、――持って出た様子はないのに、盗られた千両箱は、どこを捜しても見付からないのです」

天城屋六兵衛は萎れ切っておりました。

「俺にも判らないかも知れないが、ちょっと見せて貰いましょうかな」

平次は家の中を一と通り見廻して、それから外へ出ました、わけても水瓶と下水と井戸に気をつけたのは、少しばかり訳のあることだったのです。