Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme
山脇玄内警告の一条は陽のあるうちに平次から寺へ通じておいたのです。
本尊は等身大の坐像、黒々と時代の付いたのに、金襴の袈裟を掛け、座布団の上に据えて、大厨子の中に納め、その前面は諸人の無遠慮な視線を避けるために、錦の几帳で隠してあったのです。
「ちょっと拝まして貰いましょうか」
ズカズカと本尊の前へ行く平次。
「あ、それはなりません。当寺の本尊は秘仏になって、年に一度しか開帳しないことになっております」
住職はあわてて止めました。
「そんな事を言ったって、盗まれた日にゃ何にもなりませんよ」
「だが――」
住職の渋るのも構わず、平次は、
「遠くからちょいと拝むだけですよ、――あっしはここに居るから、小僧さん、その几帳をほんの少し開けて見せて下さい」
「…………」
小坊主は住職の顔を眺めながら、強って反対の様子のないのを見定めて、厨子の几帳を半分ほど開きました。
「もうたくさん、――なるほど結構な大師様らしい。泥棒調伏のために、うんと線香をあげて下さい、――線香よりは、抹香の方がいいかも知れない」
平次はそんな事を言い捨てて、庫裡の方へ行きましたが、やがて一と掴みの赤唐辛子を貰って来て、それをよく揉んで、盛んに燃えている香炉の中へパッと拡りました。