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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

タジタジと来る八五郎の手を逃れて、女は一朶の焔のように、夜の街へ飛出します。

平次はしかしそれに構ってはいられませんでした。飛込んで狭い家の中を一と目。

「居ない、――遅かったか」

思わず立ちすくみましたが、次の瞬間、恐ろしいスピードで、お勝手から押入から、便所まで見ました。

「居ない、――そんなはずはないが」

もう一度くり返して家捜しするところへ、

「親分、骨を折らせやがったぜ」

女を滅茶滅茶に縛って、八五郎は帰って来ました。

「八、ここへ女をつれて来い。小僧は死んでいるぞ」

「えッ」

八五郎も襲われるような心持で、縛った女と一緒に入って来ました。行灯の最初の灯が女の顔に射すと、平次の眼は早くもその瞳が、部屋の一方に注ぐのを見て取ったのです。

「ここだ、畳の隙間に埃のあるのに気が付かなかったとは、何という事だ」

平次はやにわに部屋の隅の畳を一枚起すと、床板を三枚ばかり引っ剥しました。

「あッ」

中から引出したのは、蒲団に包んでキリキリと縛った小僧の身体。

解く手も遅しと、引出して見ると、幸いまだ息だけは通っております。

「八、水だ、水だ」

「おッ」

縛った女を突き飛ばしておいて、お勝手から持って来た水を、虫の息の小僧の口に注ぎ入れるのでした。