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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

一と足漲るような白日の光の中へ飛出しましたが、困ったことに、庭にも廊下にも、広間にも玄関にも、夥しい人間がたかっていて、天上裏から飛出したままでは、大手を振って出て行くわけに行きません。

「あッ、いけねえ。今日は上様の御鷹狩の日だ」

霞んだような平次の頭にも、これだけの記憶が蘇って来ました。今日までに毒矢の曲者を捉まえるはずだったのが、天井裏に閉じ籠められてすっかり予定が狂ってしまったのです。

「こいつはしまった」

平次は天井裏で地蹈鞴を踏むばかりです。

それからまた何刻か経ちました。御殿の中の空気は遽かに緊張して、

「上様のお着き」

という囁きが、隅々までも行き渡ります。

上様お着きというのは、御鷹野は無事だったという証拠にもなりますから、天上裏の平次もそれを聞いてホッとします。

「間違いがあれば、この御殿内だ。よし、それならば、まだ望みがある」

しばらく泥棒猫のように、天井から天井へ、梁から梁へと渡って歩いた平次、いつの間にやら、羽目からスルリと抜け出して、離れの廂の下に這い込んでしまいました。首を少し曲げると、一枚開け放った障子の中に、上段の高麗縁が見えて、豊かに坐った黒羽二重の膝も見えます。