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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

「…………」

「今晩、少し仕事がある。横山町の自身番へ潜り込んで、俺の行くのを待ってくれ」

「ヘエ――」

八五郎は何が何やら解らずに飛んで行きます。

それから二た刻ばかり、江戸の街々もすっかり寝鎮まった頃、平次は横山町の自身番を覗きました。

「八」

「あッ、親分」

「静かについて来い」

二人はそれっきり黙りこくって、城郭のような磯屋の裏口へ忍び寄りました。

「何をやらかすんで、親分」

「ちょいと、泥棒の真似をするんだ」

「ヘエ――」

「どんな事が始まっても、驚くなよ、八」

「…………」

平次の調子の物々しさに、八五郎もツイ胴ぶるいが出るのでした。

「この塀へ飛付けるだろう」

「大丈夫ですか、親分は」

「大丈夫だとも」

二人は裏口の側の天水桶を踏台にして、あまり苦労もせずに塀を乗り越えました。

「どうするんで、親分」

「シッ」

「驚いたなア」

「驚くのはこれからだよ」

磯屋の裏をグルリと一と廻り、平次は家の中へ忍び込めそうな場所を探す様子でしたが、伽羅大尽と言われた構えだけに、さすがに忍び込む場所もありません。

「親分、あれは?」

「シッ」

平次は八五郎を突き飛ばすように、あわてて物蔭に身を潜めました。