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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

「じゃ始めからあの居候野郎が怪しいと睨んだんですか」

「そうでもない、一時はてっきり鉄の仕業と思ったよ。でも昨日の様子で鉄でないと解った、――そこで、用人に言って前触れしておいて、きょう荷物調べをしたのは、悪者の細工を見るためさ。それが図星に当って、紅皿と筆をお松の手筐に入れたのは、罠に掛ったようなものだ」

「…………」

「わざと筆の軸の銘を切って、善い筆か悪い筆か解らないようにしたが、上等の唐墨を洗い落すのが、少しぞんざいだった」

「何だって新しい筆を使わなかったんでしょう」

とガラッ八。

「字でも書こうというほどのものは、妙に筆を惜しがるものだよ。使い古した筆を洗って誤魔化したのが間違いさ」

「それで市が栄えるわけだね、親分」

「横山家では無事に葬いを出せるだろうし、鉄の野郎には三十両のお手当を貰って来たから、俺の仕事は済んだようなものだ」

平次はそう言って、懐に呑んだ三十両の小判にさわってみるのでした。これで鉄は笹塚へ帰って、母親の養生も存分に出来るというものでしょう。

「あの娘は綺麗だね、親分」

「だが、可哀想だよ、一番気の毒なのはあの若葉とかいう娘さ」

平次は暗然としました。