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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

作松が言ったように、裏木戸は内から輪鍵が掛っておりますが、釘はさしていず、その下のあたりはよく踏み固められて、変った足跡などを見付けられそうもありません。

引っ返して一色友衛を捜すと、いつの間にやら稽古場に引っ込んで、春日藤左衛門が置き忘れたままの「禁制の秘曲」の前に、愛管に息を入れて、一生懸命工夫をしております。こう音を立てずに吹いていても、その道の者には、曲の感じが判るのでしょう。

「それが禁制の賦とやらで?」

平次は静かに近づきました。

「え」

一色友衛の振り返った眼には、芸術的陶酔とでもいうのでしょうか、夢見るようなものがありました。

「それを吹くと人が死ぬほどの祟りがあるというのでしょう」

「私は、そんな事を本当には出来ません。この曲は、少し変ってはいるけれど、『寝鳥』には違いないのですよ」

寝鳥とはどんなものか、それさえ平次には解りません。

「ところで一色さん、死んだお百合さんは、どんなお嬢さんでした?」

「申分のない人でした。優しくて、慈悲深くて、お気の毒な――」

「妹のあやめさんは?」

「あの人は綺麗でしょう、あんなお嬢さんは滅多にありませんね」