Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme
三輪の万七は娘を家の中へ入れて、碧血の海を見せ、その顔に浮ぶ恐怖か疑惑か、ともかくも感情の動きを見ようというのでしょう。
「そいつは殺生だよ、三輪の」
銭形平次は驚いて止めました。証拠を掴めるかどうか判りませんが、この明けっ放しで生一本らしい娘に、残酷な死骸は見せたくなかったのです。
「そんな気の弱いことを言っていちゃ埒が明かねえ、――さア、ちょいと、こっちへ来るがいい。面白いものを見せてやるから」
娘を小手招く三輪の万七。
「…………」
娘は本能的な恐怖に思わず身を退きました。
「怖がる事はない、ちょいと覗いてみるがいい、とんだ面白いものがあるぜ」
三輪の万七は、娘の手を取って、惨憺たる六畳を覗かせたのです。
「あッ」
娘は、一と目、悲鳴をあげて土間に崩折れました。
「お澪ちゃんじゃないか――そんなものを見ちゃならねえ」
飛込んで来たのは、二十六七の若い男、右隣の魚屋伝吉です。
「俺が見せたんだ、文句があるなら俺に言うがいい、――なア、伝吉」
「親分さん、あんまり殺生じゃありませんか」
伝吉は三輪の万七に突っかかります。
「余計な世話だ、それとも、お前はこの娘の何かでもあるのか」