Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme
娘の淋しく美しいに似ず、これはまたなんという馬鹿馬鹿しい忍術の先生でしょう。背は低い方、肉付も極度に節約して骨と皮ばかり、顔は皺だらけのくせに、眼と口だけが人並以上で、わけても爛々たる眼には、人を茶にしたような、虚無的な光さえ宿っているのです。
「有難うござります、なにぶん宜しくお願い申します」
平次は用意の束脩を二人分、お盆を借りて差出し、その日は四方八方の話だけで帰りました。戸口を出るともう、
「親分、変な野郎じゃありませんか」
ガラッ八の八五郎には、腑に落ちない事だらけです。
「何が変なんだ」
「天下を一と呑みにするような大きな事ばかり言やがる癖に、人間を見ると、沢庵になり損ねた干大根みたいな野郎で――」
「だが、一と癖ありそうだな。俺は馬鹿にして行ったが、逢ってみて考え直したよ」
「ヘエ――、そんなもんですかね、――もっともあの娘は満更じゃねえが」
「娘の鑑定だけは、大した腕前だな、八」
「それほどでもねえ」
稽古日は三の日と、八の日。教えることは他愛もありませんが、この成瀬九十郎という人物から、平次は不思議な力と情熱を感じておりました。
三度目の稽古日、忍術に関するいろいろの口伝や理論を聞いて、小さい課程の幾つかを済ませた後、別室に退いて、娘に茶を入れさせながらの話です。