Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme
参考書も、必要に迫って、すぐ作品に役だたせようとすると、どうしても未消化なナマが目につくものである。旅行も読書も、身についてからのものでないと、役に立たない。
数日前の読売紙の文化欄に、正宗白鳥氏が現代作家論の中で「新・平家物語」の六巻妓王のあたりを評し、水の割ってある感じ、といったのは、たぶんそういう点が氏の目についたのではないかと思った。ナマな史料をナマのままならべると、随筆めいて、小説体から離れやすく、ついあんな形になる。
ぼくはまた、数字(たとえば年月)とか、人名地名、計数関係などのことは、どうにも頭へ記憶を持つのにホネである。よくそれらのことをまちがえては、校閲部から注意をくう。書きながらただもうぼくにとって楽しいのは内容そのものだけである。が、歴史小説にはじつにいろんな条件が附随する。わけてこう長くなるとなおさらだ。読者の頭も同じだろうと思う。が読者はきびしい。そして克明である。腑に落ちないとなると寸毫のあやまりも仮借されない。依然、読者からの手紙にたえず鞭打たれている。
十五、六歳の牛若を書いていた間はなんだか楽しかった。牛若にかぎらず、ぼくは子どもを書くのは好きである。