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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme

Aozora Bunko

当初、週刊編集部から「何か書くように」とすすめられたのは、たしか終戦直後の昭和二十二年ころであり、そのころぼくは、終戦後三年間ぐらいは著作を休みたいと思い、また実際に書かずにいたので「いつか書かせていただきます」と約束だけにとどめていた。

その間は、山妻の戦後疲れの大病やらたれも通って来たあの疎開生活の中にぼくらも暮らし喘いできたのは当然で、やがて昭和二十三年になって雑誌「東京」に“色は匂へど”を四月ほど書き、読売に「高山右近」を書いて旧約を果たしたが、そのころから医者に胃癌の病状があると診断され、ぼくもまた一つの戦後病といったような健康障害に苦しみとおしていた。

前出版局長のK氏とO氏などがお揃いで「もう、ぼつぼつどうですか」と執筆をうながしに見えられたのは、それが終わったころだった。二年も前からの旧約をお待ちくだすった寛恕の手前にも、ぼくは自分の健康ばかり言い訳にいっていられない気持になり、次の新年号からはという確約のもとに「何を書くか?」という当然な課題にさまよい初めたのである。

ところが、健康は日ごとによくない。癌の方は、まず懸念なしと解消したが、盲腸がひどいという。