Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme
現に、ぼくらを初め一般もそろそろ、あのころの体験を忘れかけ始めているにつけても痛切にそう思う。
終戦に近い断末魔のころ、疎開先の山村に配属されて来た彰義隊式の兵隊が、幽鬼の歌みたいに歌っていたのが思い出される。“――かねの茶わんに、竹の箸、一ぜん飯とは情けない――”その一ぜん飯さえ食えなかった庶民史の方こそ、じつは歴史の主流なのだ。ところが、いつの時代の史料にも、日本ではそこが脱落している。平家物語にも、それがない。富士川合戦前後にも欠けているわけである。だから平家の大軍を走らせた水鳥というのも、飢えた人間の群れだったろう、つまり“飢えた千鳥”だったのだと、ぼくらも文学化した自己の思考に拠って書くしかない。そして吾妻鏡や平家、盛衰記などよりも、この方を史実であると信じるのである。(二八・三・一)
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「都」というのは、今の京都のこと。
平安朝の長い貴族政治の下に、源氏物語的な特異な逸楽を幾世紀となくつづけ、平安の都と、殿上人には謳歌されて来た地上。
その末期――ようやく饐え飽かれて来たころの物語――時は現代から約八百余年前。「地下人」という階級がある。