Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme
やちきしょう、西瓜をこんなにかじっていやがる。オヤ蓮の実も食ったなどと、いかにも興味ある発見をしたような声を出す。
船酔いさえ治ればこちらも無駄口ではひけをとらぬ。事務長さん、質屋には虫喰、鼠喰両損ということがあるが、船でもやはり「鼠喰片損の事」という張札でもしておきますかね。へいいや、張札はいたしませんが、社の規則には何か書いてあるようです。この鼠というやつが悪戯なやつで、別に腹がへったから食うのではないのです。だからメリケン粉などは百袋とも一晩に穴をあけますという。ははあなるほどだ。塩竈以北の海辺に住み、熱でもあって西瓜を待つの輩は、おりおりはあの子持ちのおかみさんのごとき泣声を出して、そうして失望せねばならぬのだ。自分らだけではないからあきらめられぬこともないようだ。
タバコの専売でも同じだが、「いやならおよしなされ」くらいやるせないものはない。しかし日本の国民性はこの点にかけては堅忍不抜で、多勢とともにならずいぶんいい辛抱をする。それからどうにもこうにもならぬ時は、いわゆる転じて弱を示すの策も知っている。三陸沿海の鉄道などは実に深い智慧だ。