Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme
たくさんのけなげなる日本人は、その暦法をかたく守りつつ、雪の国までも入ってきた。白く包まれた広漠の野山には、一筋も春のきざしは見えなかったけれども、神はなお大昔の契約のままに、定まった時をもってお降りなされることを疑わず、すなわち冬籠りする門の戸を押し開いて、欣然としてまぼろしの春を待ったのである。
もしも新たに自分のために発明するのであったら、おそらくこのような不自然、不調和を受け入れることはしなかったであろう。辺土の住人が世間の交わりが絶えると、心安い同士の間には身だしなみの必要もなくて、鬚を構わなかったり皮衣を着たり、何か荒々しい風貌を具えてくるのを見て、時としては昔袂を別った兄弟であることを忘れようとする人たちもあるが、かりに何一つ他には証拠のない場合でも、かほどまでも民族の古い信仰に忠実で、天下すでに春なりと知る時んば、わが家の苦寒は顧みることなく、また何人の促迫をも待たずして、冬のただ中にいそいそと一年の農事の支度にとりかかる人々が、別の系統から入ってきた気づかいはない。
あるいは今日の眼から見れば、そんなにまで風土の自然に反抗して、本来の生活様式を墨守するにも及ばなかったのかもしれぬが、同じ作物同じ屋作りの、いずれも南の島にのみ似つかわしかったものを、とにかくにこの北端の地に運んできて、辛苦