Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
「するとようやくわかった、こうだ」と富なあこが云った、「つまりこうだ、――ここに大きな岩があるとすべえ、いいか」
倉なあこは黙って頷いた。
「川だから水が流れてる、これにふしぎはねえさ、なあ」と富なあこは手まねをした、「こう、ここに岩があらあ、そこへ水が流れて来るだろう、そうするとおめえ、岩の前のところの砂や泥は、流れに洗われて低くならあ、そいつは海ん中でやっても同じこった、波の来るときに立ってると、退くときに踵の下の砂がへずられるだろう」
「うう」と倉なあこが頷いた、「うしろにひっくりけえりそうにならあ」
「そいつがそのまんま当て嵌まるわけよ、な」と富なあこが云った、「な、水がこう流れる、岩の前の砂がへずられる、へずられるのが大きくなると、その岩はごろっと転がる、上のほうへよ、――水は絶えず流れてるから、岩の下はいつも流れでへずられてら、それが順繰りにずっと繰返されるから、岩はしぜんしぜんと上のほうへ、転がり転がりのぼってくわけだ」
倉なあこは唸った。うーんと、声に出して唸り、それから友達の顔を見て云った。
「知恵のあるもんだな」
「なみたいていじゃあねえさ」