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Japanische Klassiker mit Furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme

Aozora Bunko

会場は静かになり、聴衆の眼はその若者に集まった。

「演説会もくそもねえ」と若者は怒った酔漢のような口ぶりで喚いた、「饒舌るだけで止められるもんじゃねえだ、会社のやつらをぶっ殺せ、おらが佐倉宗五郎になるだ」

とたんに巡査がサーベルを鳴らした。

「弁士中止」と巡査は白い手袋をはめた片手をあげて叫んだ、「演説会は解散」

それがどういうことであるかを、聴衆が理解するにはちょっと暇がかかった。

私はすぐに会場を出たが、そのあと、高品さんの家を訪ねると、やがて集まって来た常連が、大演説大会の話を始め、演壇へとびあがった若者の、勇気と決意を褒めあった。

「おらが佐倉宗五郎になるだって」と秋葉エンジが感動をこめて云った、「あんな大勢のめえでなかなかああは云えねえもんだ、いってえどこのもんだ」

「知んねえな」と三十六号船の留さんが首を振った、「誰も知んねえ顔だってよ、それにしちゃあえれえもんだ」

「おらが佐倉宗五郎になるか」と漁師の源さんが云った、「命を張るってえだからな、ああいう人間がもう五六人もいれば、会社なんぞひねり潰しちまうだがな」

「まったくのところ」と源さんは続けて云った、「こんどの問題じゃ、あの男が頼みの綱だぞ」