Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme

Aozora Bunko

ある。岸がんはさすが男のことで、こんな話をすればするほどみれんな気持が起こる、このへんできまりをつけようと主張し、持って来た催眠薬を出した。そこで栄子も諦め、拵えておいた薬をハンド・バッグの中から取り出した。そのときになってふと、見せろと云われはしないかと心配した。なにしろ男は薬品の外交をやっていたのだから、見られたらばれるに違いないからである。しかし岸がんはなにも云わず、湯呑に水を注いで自分から先にのんだ。栄子も「負けてはいられない」と、同じ湯呑に水を注いで薬をのんだ。

「それから寝床へ横になって抱きあって、またさんざん泣いたわ」と栄子は云った、「あとは話さなくってもわかるでしょ、心中する人間は死ぬまえに一生分もたのしむって、あれはほんとよ、あたいこむら返りを起こしちゃったわ、先生ったら、飲ましてよ」

いつか眠ってしまったらしい、変な声で眼をさますと、岸がんが苦しんでいた。大の字なりにのびたまま、しきりにげっぷうをしていた。栄子ははっきり眼がさめ、すると恐ろしさと苦しさとではね起きた。

「あたし心中したんだと気がついたら、胸の奥のところが焼けるように苦しいの、岸がんはのびたままげっぷうをしているでしょ、大変だと思ったらあとは夢中で、はだしのまま駐在所へ駆け込んじゃったわ」