Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
これだけ酷いめにあわされれば、人は温和な気分を保つことはできないであろう。自分が払わされただけのものを人にも払わせてやろう、というような気持になるのが当然かもしれない。あの女だけを責めるのは不当だ、と私は自分をなだめた。しかしすぐに、それは論拠が誤っている、という声が私の心の中で起こった。
――はらいせをするなら、する相手がある筈である。
もしも彼女が世間からいためつけられたとするなら、留さんも同様に世間からいためつけられている。いつも少年の水夫たちにさえ軽蔑され、殆んど面と向って、「留さんは頭があったけえからな」などと云われるうえに、貯金が一〇〇くらいになると、女にひっかかって元も子も無くしてしまう。つまり二人は同じ戦傷者なので、お互いに劬りあい慰めあうのが本当ではないか。――そんなふうに私が自問自答しているあいだも、留さんはお秀の命ずるままに、ビールや酒を運んだり、どなられて頭を掻いたりしていた。
「この留公はね」とお秀が客に云った、「こんなまぬけのくせえしてばか踊りがうめえんだよ、ばか踊りとはにん相応だけどさ」
「ねえ、留公に一杯飲ましてやってごらんよ」