Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
尤も、これまた長だけには限らない、この土地では少年と少女の差別なしに、男女間の機微に触れた言葉をじつによく知っており、そういう表現におどろいて、私がへどもどしたりすると、「へ、へ、蒸気河岸の先生もそらっ使えだ」くらいは云われるのであった。
或る日、私はその堀の魚屋の前を通った。間口は三間くらい、二階造りのがっしりした建物で、広い店の奥に大きな冷蔵庫があり、看板には「仕出し料理、魚辰」と書いてあった。若者が一人、せっせと魚を作ってい、店の前のほうに、若い女がいさましく盤台を洗っていた。頭はあねさまかぶり、端折った裾から白く逞しい脛と、鮮やかに赤い腰巻が見え、襷をきつく掛けているので、肉付きのいい、白く張り切った肌が二の腕まであらわになり、私が通りぬけようとしたとき、彼女は片方の手をあげて額のあたりを撫でたが、その白いゆたかな腕の付根に、ふさふさとした腋毛が見えたので、私は慌てて眼をそらした。
紺絣の着物、きつく絞った襷、端折った裾から覗いている赤い腰巻、逞しく肉付いた足や、まるく張り切った腕や、ふさふさとした腋毛。――そうして男よりもいさましく、すっかり馴れた手つきで、しゃっしゃっと盤台を洗っている姿。