Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
稿料は前者が一回「五」であり、後者が一編「四〇」または「五〇」くらいであった。もちろんその差は原稿の枚数によるのであるが、――そして、それで足りないところは、京橋木挽町に店を持っていた恩人、山本洒落斎翁のところへ借りにゆく、それも極めてしばしば借りにいったものであった。
それなら青べかを失ったことが、非常に惜しかったかといえば、それもはっきりとは答えられない。一種の厄介ばらいをしたような、肩の荷をおろしたような気持もしたからである。とにかく、明日になったら川筋や堀を捜してみよう、そう思って私は家へ帰った。
明くる日、朝めしのあとで私はでかけた。悪童どもは学校であるが、私は自尊心のために舟を捜すようなそぶりは示さず、眼の隅で注意しながら歩いていった。蒸気河岸では三十六号船の留さんが声をかけ、景気はどうかと訊いた。船宿「千本」の店の前では、おきぬという女が繩舟の餌付けをしながら、たまには遊びに来い、と呼びかけた。堀へ曲ると海苔屋のおばあさまが挨拶をし、町役場の増山さんと会い、ごったく屋の「栄家」の前では、泊り客を送り出した実永(むろん仇名で****と読むのだが、本名は知らない)が、ちょっと寄ってゆく気はないか、とさそいかけた。