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Japanische Klassiker mit Furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme

Aozora Bunko

こうして十幾人もの人と、言葉を交わしたり、目礼したりしたが、ついに青べかを発見することはできなかった。

「まっすぐに川をくだったんだ」と私は呟いた、「海へいっちまったんだな」

その日の昏れがたに、窓の外で倉なあこの声がした。窓をあけてみると、倉なあこは沖着のぼった姿で、頬っぺたの赤い、いい男ぶりの顔で笑っていた。

「青べかを曳いて来ただよ」と倉なあこはゆっくりと云った、「沖の三番のみおでふらふらしてただ、どうしただね」

私が答えると、倉なあこはまた笑った。

「しようがねえがきどもだ」と彼は、あんまりしようのないような口ぶりでなしに、やさしく云った、「こんど来たらどなってやるがいいだ、やつらもそれほどわる気はねえだからな、一つどなってやればいいだよ」

私が答えると、倉なあこは頷いて、棹と櫂はすぐに持って来る、と云ってたち去った。そのあとで、私は堤へいってみた。青べかは杭につながれて、私に見られたくないとでもいうように、ひっそりと洗い場により添っていた。もう川の水面も暗いので、近よってみても細部はわからないが、青いペンキはあばたのように剥げ、ふなばたがところどころ欠けていた。