Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
明くる日の午後おそく、土堤のほうで子供たちの騒ぎだす声を、私は聞いた。もとより予期していたことで、私は机に向ったまま、その騒ぎを聞きながら、いまになにか反応があるだろう、誰かがやって来るだろう、とひそかにほくそ笑んでいた。子供たちの騒ぎは第一回のときよりも盛大であり、石を投げつける音も数多く、かつ活気に満ちたものであった。私は待ったが、誰もやっては来なかった。長さえも来ないまま騒ぎが続き、やがて、ずいぶんときが経ってから、子供たちは去っていった。
「おかしいな」と私は呟いた、「気がつかなかったのかな」
もはや悪童どもがいないということを慥かめてから、私は用心ぶかく家を出ていった。
青べかは洗い場の杭につながれていた。私は踏段をおりてゆき、跼んで、まず彼女のふなばたをしらべた。昨夜、私が書いた「ロジナンテ」という字は、傷だらけではあるが残っていた。投石は思ったより華やかだったらしく、ペンキはさらに剥げ、ふなべりは幾カ所も欠けていた。
「この字をなんとも思わないのかな」と私は白いペンキの文字を見ながら呟いた、「かれらには好奇心も懐疑心もないんだな」
私の期待は外れた。