Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
私は彼女を「青べか」から「ロジナンテ」に変えようとしたのだ。悪童どもが好奇心をおこして訊きに来たら、私はその名の由来を語ってやるつもりだった。そうすればかれらの頭には、愚かしく愛すべき老馬の姿が印象づけられるに相違ない、――おっかしな、可哀そうな老いぼれ馬。こういう観念がかれらに起これば、もはやその「可哀そうな老いぼれ馬」を迫害するようなことはないだろう、およそ少年というものは自分を英雄化し、事をロマンティックに考えたがるものだからだ。
「まあ待ってみよう」と私は家へペンキを取りに戻りながら云った、「ものごとは辛抱がかんじんだ」
だが私の期待は外れた。
この土地の悪童どもは、私のいだいている「少年」という概念の外にあるらしい。青ペンキを塗ろうが塗るまいが、白いペンキで妙な名を書こうが書くまいが、かれらにとって「青べか」はしょせん「青べか」にすぎないのであった。
「即物的なやつらだ」と私は云った、「好きなようにしろ」
私はさらにこう云ったことを覚えている、「どうでもいいようにしろ、勝手にしやあがれ」
悪童どもは飽きもせず、毎日やって来て青べかの虐待に興じた。