Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.961 Zeichen · 317 Bildschirme
へ売って儲けようと計ったこともあるが、それはここでは省略する。――私はタバコをふかしながら、その芦の茂みから鷭の飛び立つのを認めた。鷭という鳥は、私の家でもよく見ることができた。机に向っていると、窓のすぐ向うを飛んでゆくのである、黒地に星点のある羽根や、赤い足などですぐ、それとわかる。野鳥の中でこれほど美味な肉はない、ということを聞いていたので、川獺の場合とは別個の欲望から、その鳥もなんとか捕獲しようとこころみたが、ついに一度も成功しなかったので、一種の怨みからだろうか、かなり遠くからでも、鷭だけはみわけがつくようになった。
「蒸気河岸の先生よ」と云う声がした、「釣れっかえ」
私はおどろいて振り返った。見わたす限り人影もなかったのに、突然そう呼びかけられたので、振り返る拍子にタバコを落し、それがあぐらをかいている膝のあいだに落ちたので、取って捨てるまでに、腿と脛を慌てて叩いたりこすったりしなければならなかった。――そこにいるのは繁あねであった。年は十二か三、たぶん十三歳だったと思うが、私が振り返ると、岸の上からにっと笑いかけて、もういちど同じ質問をした。