Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lisez あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 451 caractères · 236 écrans

Aozora Bunko

六十九

女は居辛かった田舎の嫁入先を逃げて来て、東京で間借をして暮していた。着替や頭髪の物などと一緒に持っていた幾許かの金も、二三月の東京見物や、月々の生活費に使ってしまってから、手が利くところから仕立物などをして、小遣を稼いでいた。二三度逢ううち直にお島はこの女を古い友達のようにして了った。

「まあ宅へ来て年越でもなさいよ」お島は女に言った。

女は惘れたような顔をして、火鉢の傍で小野田と差向いに坐っていたが、間もなく黙って帰って行った。

「いくらお辞儀が嫌いだって、あんなこと言っちゃ可けねえ」後で小野田がはらはらしたように言出した。

「ああでも言って逐攘わなくちゃ、遣切れやしないじゃないか」お島は顫えるような声で言った。

「不人情で言うんじゃないんだよ。今に恩返しをする時もあるだろうと思うからさ」

六十九

同じような仕事の続いて出ていた三月ばかりは、それでもまだどうか恁かやって行けたが、月が四月へ入って、ミシンの音が途絶えがちになってしまってからは、お島が取かかった自分の仕事の興味が、段々裏切られて来た。職人の手間を差引くと、幾許も残らないような苦しい三十日が、二月も三月も続いた。