Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lisez あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 451 caractères · 236 écrans

Aozora Bunko

六十二

お島の様子の田舎じみて来たことが、鈍い姉にも住んでいた町のさまを想像させずにはおかなかった。

「一口に田舎々々と非すけれど、それあ好いところだよ」お島はわざと元気らしい調子で言出した。

「だって山のなかで、為方のないところだというじゃないか」

「私もそう思って行ったんだけれど、住んでみると大違いさ。温泉もあるし、町は綺麗だし、人間は親切だし、王子あたりじゃとても見られないような料理屋もあれば、芸者屋もありますよ。それこそ一度姉さんたちをつれていって見せたいようだよ」

「島ちゃんは、あっちで、なにかできたっていうじゃないか。だからその土地が好くなったのさ」

「嘘ですよ」お島は鼻で笑って、「こっちじゃ私のことを何とこそ言ってるか知れたもんじゃありゃしない。困って酌婦でもしていると思ってたでしょう。これでも町じゃ私も信用があったからね、土地に居つくつもりなら、商売の金主をしてくれる人もあったのさ」

「へえ、そんな人がついたの」

六十二

山の夢に浸っているようなお島は、直に邪慳な母親のために刺戟されずにはいなかった。以前から善く聴きなれている「業突張」とか「穀潰し」とかいうような辞が、彼女のただれた心の創のうえに、また新しい痛みを与えた。