Classiques japonais avec furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lisez あらくれ de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 451 caractères · 236 écrans
七十七
どういたしましても、親方のようなお顔の売れた方の御贔屓にあずかりませんと、私共の商売は成立って行きませんのでございます」
男達はみんなお島の弁る顔を見て、面白そうに笑っていた。
「お上さんの家では、お上さんが大層な働きもので、お亭主はぶらぶら遊んでいるというじゃないか」男たちはお島に話しかけた。
「衆さんがそう言って下さいます」お島は赤い顔をして、サンプルを仕舞っていた。
「たまに宅へお見えになるお客がございましても、私がいないと御註文がないと云う始末でございますから。あれじゃお前が一人で切廻す訳だと、お客さまが仰ゃって下さいます」
お島はそう言って、この商売をはじめた自分の行立を話して、衆を面白がらせながら、二時間も話しこんでいた。
「あの辺でおきき下さいませば、もう誰方でも御存じでございます。滝庄という親分が、以前私の父の兄で、顔を売っていたものですから、ああ云う社会の方が、あの辺ではちょいちょい私のお得意さまでございます」
帰りがけにお島は、自分のそうした身のうえまで話した。
七十七
そんなような仕事が、少しばかり続くあいだ、例の金で身装のできたお島は、暮のせわしいなかを、昼間は顧客まわりをして、夜になると能く小野田と一緒に浮々した気分で、年の市などに景気づいた町を出歩いたり、友達のようになった顧客先の細君